産業廃棄物の全体的な処理の仕方や手順(流れ)

産業廃棄物処理の基本的な手順は、産業廃棄物の排出→収集運搬→中間処理→収集運搬→最終処分という流れとなり、環境に悪影響を与えない方法で進めらていきます。

この記事を読むことで、産業廃棄物処理の全体的な手順や流れについて、基本的なイメージをつかむことができます。

許可の取得を考えており、これから産業廃棄物収集運搬業をはじめとした産業廃棄物処理業を営もうとする方の参考になれば幸いです。

 

「イメージ」

産業廃棄物処理の流れや手順(排出ー収集運搬ー中間処理ー最終処分) (青森 行政書士)

 

手順1 排出事業場での分別・保管

産業廃棄物の処理は、排出された事業場において「分別」と「保管」をするところから始まります。

分別とは産業廃棄物を処理しやすいよう、「廃プラスチック類」や「紙くず」などの産業廃棄物の品目(種類)ごとに分けることです。

分別された産業廃棄物は、収集運搬業者が回収にくるまで、排出事業場に一時保管されます。

 

手順2 収集運搬

産業廃棄物は排出場所から産業廃棄物を適切に処理できる場所へ運搬する必要があります。

事業者から排出された産業廃棄物を、収集運搬業者が性状を変えることなく、中間処理場へ運搬します。

排出事業者が自社で運搬する場合を除いて、収集運搬業者の存在がなければ、産業廃棄物を排出場所から移動させることができません。

すべての排出事業者が運搬するための車両や運搬容器等を持っているわけではありません。

そのため収集運搬業者は産業廃棄物処理において重要な役割を果たしています。

収集運搬は、産業廃棄物の排出場所とそれを処理する施設との間を車両や船、鉄道などを使って行います。

また産業廃棄物を外部へ飛散・流出することを防止し、悪臭を放つことなく、処理施設まで運搬しなければなりません。

現在、産業廃棄物収集運搬に使用されているのは、車両が中心的役割を果たしています。

参照:産業廃棄物の性状や種類に応じた運搬車両の種類

 

手順3 中間処理

中間処理場では、大きな産業廃棄物を小さく、有害な産業廃棄物を無害化するための処理を行います。

産業廃棄物に物理的なエネルギーや化学的なエネルギーを用いて、産業廃棄物の状態を変化させます。

それぞれの産業廃棄物の種類や性状に応じて、破砕、焼却、中和、脱水、固化、溶融などの様々な処理技術があります。

様々な処理方法があるのですが、中間処理は、最終処分を行うための前処理をしているといえばイメージがつきやすいかもしれません。

大きい産業廃棄物を小さくするには、破砕や焼却などの方法があり、無害化を行うには、中和や溶融などの方法が挙げられます。

なお最終処分を行うための前処理を目的とした中間処理の他、産業廃棄物を他産業の原材料や燃料への加工を目的とした中間処理も行われています。

 

中間処理後の残さが最終処分場へ運搬される

中間処理を行った後に残る産業廃棄物(残さ)は、最終処分場へ運搬されます。

 

手順4 最終処分

産業廃棄物の中間処理を行った後の残さは、最終処分場で処分されます。

最終処分場では、産業廃棄物を最終的に処分するために、土の中に埋めたり、海洋投入を行い、環境に悪影響を与えないよう自然へ戻します。

最終処分とは、産業廃棄物の処理を適切に行ったうえで、土の中へ埋めたり、海に投入し、その場所で産業廃棄物を保管し続ける処理方法です。

産業廃棄物をそれ以上変化せず、周囲の環境にも影響を及ぼさない状態にします。

埋め立てする産業廃棄物の種類や性状により、環境へ与える影響が異なるため、最終処分場は、その機能により安定型最終処分場、管理型最終処分場、遮断型最終処分場と3つのタイプに分類されます。

平成26年度の産業廃棄物の排出量は、約3億9000万トンですが、そのすべてが最終処分されているわけではありません。最終処分される産業廃棄物の量は、排出量と比較すると、数パーセントとなります。

 

同じ産業廃棄物でも処理の仕方は1つだけではなく複数あります。

ある1つの産業廃棄物における処理の仕方は1つだけではありません。

例えば「木くず」を挙げてみますと、「木くず」という産業廃棄物でも複数の処理の仕方が存在します。

中間処理で焼却をし、燃え殻へと大きさを小さくして、その後に埋め立てをする方法の他、圧縮や破砕といった方法もとられます。