石綿含有産業廃棄物(非飛散性アスベスト)の定義やマニフェストの種類欄の取り扱いについて

石綿含有産業廃棄物(非飛散性アスベスト)の定義やマニフェストの種類欄の取り扱い (青森県 青森市)

石綿含有産業廃棄物の運搬・処分の委託を行う場合、紙マニフェストの「産業廃棄物の種類」欄の記載の方法は、通常の産業廃棄物と若干異なります。

直行用マニフェストの場合、「種類(普通の産業廃棄物)」に✔マークを付け、「廃プラスチック類」、「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」、「がれき類」のうち、該当するものいずれかに✔マークを付けます。

さらに下にある空欄の箇所に「石綿含有産業廃棄物」と記入し、✔マークを付ける方法が採られています。

これは通常の「廃プラスチック類」、「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」、「がれき類」とは処理方法が異なるためです。

そのため通常の「廃プラスチック類」、「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」、「がれき類」の処理も委託する際は区別する必要があり、「石綿含有産業廃棄物」分としてマニフェストを別途交付する必要があります。

「通常のがれき類」として1枚交付し、さらに「石綿含有産業廃棄物であるがれき類」の分として別途1枚交付するという形となります。

石綿含有産業廃棄物の処理を委託する際のマニフェスト記載方法についてはこちらもご参照ください。

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参照:全国産業廃棄物連合会が発表している石綿含有産業廃棄物に関するマニフェストの取扱い 積替用マニフェストの説明もあります。

また事前に取り交わさなければならない産業廃棄物処理委託契約書には、廃棄物情報として「石綿含有産業廃棄物であること」を記載しなければなりません。

 

石綿含有産業廃棄物とは

石綿含有産業廃棄物とは、非飛散性アスベストとも呼ばれます。

そのままの状態で空気中に飛散してしまう廃石綿等(飛散性アスベスト)以外ものが該当します。

石綿含有産業廃棄物は、アスベストが含まれていても破砕や切断などをしない限り、空気中にアスベストが飛散するおそれが少ないものです。

廃棄物処理法施行規則第7条の2の3では、「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた産業廃棄物であつて、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの(廃石綿等を除く。)」と定義されています。

具体的には、アスベストを含有したスレート、pタイル、屋根用化粧スレートや外壁サイディング、石綿含有ケイ酸カルシウム板1種など、石綿が補強材として添加されている建材等が挙げられます。

石綿含有産業廃棄物の「産業廃棄物の種類」については、「がれき類」、「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」、「廃プラスチック類」のいずれかに該当します。

これに対し、そのままの状態で空気中に飛散する飛散性アスベストは、特別管理産業廃棄物にあたります。

種類は「廃石綿等」に該当し、石綿含有産業廃棄物とは異なり1つの種類として独立しています。

 

アスベスト(石綿とも呼ばれます)とは

アスベストは、天然の鉱石で石綿とも呼ばれます。

石綿の読み方は「いしわた」や「せきめん」です。

アスベストは酸やアルカリに溶けず、燃えないで高温に耐える不燃性や電気の絶縁性に優れています。

しかし肺に吸入されることにより、潜伏期間を経て、肺がんや中皮腫の原因となることが問題となりました。

建築工事現場では、防音や断熱の目的で吹き付けが行われたり、自動車、電気製品にも用いられてきました。

現在は代替困難な一部製品を除き、全面的に製造、使用(吹き付け)が禁止されています。

 

運搬時の注意点(運搬基準)

石綿含有産業廃棄物の収集運搬に当たっては、石綿含有産業廃棄物を破砕しないように行うとともに、他の廃棄物と混合しないよう区分して行わなければなりません。

また人の健康や生活環境に係る被害が生じないように行います。

廃石綿等の収集運搬については、他の廃棄物等と混合するおそれのないように他の物と区分して収集運搬をします。

廃石綿等による人の健康や生活環境に係る被害が生じないように行う必要があります。

 

飛散防止について

石綿含有産業廃棄物、廃石綿等の収集運搬にあたり、飛散・流出をしないようにしなければなりません。

 

運搬車・運搬容器について

石綿含有産業廃棄物の収集運搬を行う場合、石綿含有産業廃棄物が、その他の物と混合するおそれのないよう、他の物と区分し、収集運搬を行います。

運搬車両と運搬容器は、石綿含有産業廃棄物・廃石綿等が飛散、流出するおそれのないものでなければなりません。

廃石綿等の運搬を行うにあたり、運搬車両の荷台に覆いをかけなければなりません。

また運搬車両には「産業廃棄物を収集運搬している旨」など定められた事項を表示する必要があります。

参照:許可取得後の産業廃棄物収集運搬車両への表示事項

 

最後に

石綿含有産業廃棄物の処理委託を行う場合は、通常の産業廃棄物と処理方法が異なるため、マニフェストに関する記載方法が若干異なります。

また飛散・流出による生活環境、人体への影響もあることから、収集運搬をする際も破砕をしないように取扱い、他の廃棄物と混合しないよう区分して行わなければなりません。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。