取引先金融機関が発行する500万円以上の預金残高証明書等で資金調達能力があるか判断されます。
建設業許可を受ける際に必要な「財産的基礎があること」とは
建設業許可を受けるための要件の1つに「財産的基礎があること」があります。
許可を受けようとする際に「財産的基礎があること」を求められるのは、資材の購入や現場に配置する技術者・職人の募集、機械器具や仮設器材の購入等で資金が必要となることや建設工事の適正な施工を確保するためであったり、建設工事の施工に伴う公衆災害や労災災害が発生した際に適切な処理を行うため、ある程度の資金を確保していることが必要であると考えられているためです。
「財産的基礎があること」は、建設業許可業者として求められる経済的な水準とも言えます。
建設業許可は、元請企業として工事を請負った際、1次下請企業へ発注する金額に制限があるかないかで、一般建設業許可と特定建設業許可に区分されています。
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一般建設業許可と特定建設業許可で、「財産的基礎があること」の要件を満たすための基準が異なっています。
ー建設業許可の要件の構造ー
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■欠格要件に関する記事
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一般建設業許可
一般建設業許可の場合、次の①~③のいずれかに該当すれば「財産的基礎があること」の要件を満たします。
①自己資本が500 万円以上あること
自己資本は、法人の場合、賃借対照表の純資産合計額をいいます。
個人事業主の場合は、期首資本金,事業主借勘定,事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金,準備金の額を加えた額をいいます。
既存の企業の場合、申請時の直前の決算期の財務諸表で判断します。また新規に設立した企業の場合、創業時の財務諸表で判断します。
②500 万円以上の資金調達能力のあること
③直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること
毎事業年度終了後に決算等届出書を提出していることの他、許可を受けた事項に変更が生じた際の変更届出を行っていることが必要です。
特定建設業許可
特定建設業許可を受けると1次下請に出せる金額の制限がなくなります。そのため多くの下請企業へ発注を行い大規模な工事を施工することができます。
そこで下請企業保護や大規模工事の適切な施工の観点から、「財産的基礎があること」のハードルが上がっています。
特定建設業許可を受けるには、申請時直前の貸借対照表で以下の①②③のすべてに該当していることが必要です。
財産的基礎は、許可を受ける際(更新,追加等を含む。)に判断されるため,許可を受けた後に基準に適合しないことになったとしても直ちに影響を受けるものではありません。
ー特定建設業許可で求められる財産的基礎ー
①欠損の額が資本金の額の20%を超えていない
欠損の額とは、法人の場合、貸借対照表のマイナスの繰越利益剰余金が、資本剰余金、利益準備金、その他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く)の合計金額を上回る額のことをいいます。
個人事業主の場合、事業主損失が、事業主借勘定から事業主貸勘定の額を引いた額に負債の部に計上されている利益留保金の引当金、準備金を加えた額を上回る額をいいます。
②流動比率が75%以上である
流動比率とは、流動資産を流動負債で割った数値に100を掛けた数値をいいます。
③資本金が2000万円以上であり、かつ自己資本の額が4000万円以上である
資本金とは、法人の場合には株式会社の払込資本金、有限会社の資本の総額、合資及び合名会社は出資金額、個人事業主の場合には期首資本金のことをいいます。
自己資本は、法人の場合、賃借対照表の純資産合計額をいいます。
個人事業主の場合は、期首資本金,事業主借勘定,事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金,準備金の額を加えた額をいいます。
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