産業廃棄物の収集運搬業 | 無許可変更や変更届の無届に伴う罰則

収集運搬業務を行うにあたり取り扱える産業廃棄物の品目は、許可証に記載されている種類に限られます。

そのためそれ以外の産業廃棄物を取り扱い運搬することはできません。許可を受けた内容と異なる業務を行うことはできないことになります。

そのため新たな品目を取り扱う場合は、変更許可申請という手続きを行う必要があります。

 

事業範囲の無許可変更と罰則

「新たに汚泥を取り扱って収集運搬をしたい」など、許可を受けている品目(種類)以外の産業廃棄物を収集運搬する場合は、変更許可申請と呼ばれる手続きが必要となります。

この変更許可を受けず、許可証に記載されている品目以外の産業廃棄物の収集運搬を行っている場合は、「廃棄物処理業の事業範囲の無許可変更」に該当し、罰則の対象となります。

この場合「5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこれの併科」の適用対象となり、これは無許可営業や廃棄物の不法投棄、不法焼却による罰則と同レベルのものです。

「このくらいなら手続きを放っておいても大丈夫だろう」と安易に考えることはできません。

さらに両罰規定が適用され、従業員を雇用する使用者や法人が廃棄物処理法に基づく罰金刑に処せられますと、廃棄物処理業の欠格要件に該当することとなります。

欠格要件に該当した場合、許可権者である都道府県知事や政令市長は「許可を取消さなければならない」ことが廃棄物処理法に定められています。

許可を「取消さなければならない」ですので、裁量の余地がなく無条件に許可は取消となります。

収集運搬業務中に行政による車両検査に遭遇する可能性もあり、積み荷のチェックが行われることもあります。

参照:産業廃棄物の収集運搬業務中に行政による車両検査に遭遇することを想定しておこう。

 

両罰規定とは

両罰規定とは簡単に申し上げますと、業務に関する従業員の個人的な違反行為であっても、行為者である従業員を罰する他にその従業員を雇用する使用者や法人に連座して罰則が適用されるというものです。過去に両罰規定に関して記載した記事がありますのでご参照ください。

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参照:両罰規定が産業廃棄物処理業許可に及ぼす影響

※積替え保管を行わない収集運搬業の許可を取得後、新たに積替え保管を行う場合も変更許可申請が必要となります。

 

変更届の無届に伴う罰則

役員の変更があったり、収集運搬車両の変更があった場合等、産業廃棄物処理業の内容に変更があった場合は、その変更があった事項について変更の日から10日以内に許可申請をおこなった自治体へ届出をしなければなりません。

※法人にあって登記事項証明書の添付を必要とする場合は、変更の日から30日以内となります。

変更の届出をしなかった場合や虚偽の変更届出をした場合は、「30万円以下の罰金」の適用対象となります。

「30万円以下の罰金」でも廃棄物処理法に基づく罰金刑は、廃棄物処理業の欠格要件に該当しますので注意が必要です。

 

上記2つの「事業範囲の無許可変更」と「変更届の無届」に伴う罰則は、手続きを行っていれば防ぐことができるものです。

従業員の違反行為が企業の産業廃棄物処理業許可に直接影響を及ぼす可能性があるため、産業廃棄物処理業に携わる役員や従業員の方が廃棄物処理法上の必要な手続きや規制、罰則の理解を深めることが必要です。

 

 

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