感染性廃棄物の処理方法|容器に表示するバイオハザードマークの色など、詳しく調べ始める前に知っておきたい簡単な概要

感染性廃棄物の処理方法に関する記事

感染性廃棄物とは、医療関係機関等から生じ、人が感染し、若しくは感染するおそれのある病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれのある廃棄物のことをいいます。

誤解を恐れずに簡単に申し上げますと、医療機関などから発生した血液など、人が感染するおそれのある廃棄物のことです。

この記事では、感染性廃棄物の処理方法や処理の流れについて、詳しく調べる前に知っておきたい簡単な概要についてお伝えしていきます。

詳しい内容は環境省が発表している「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」で確認することができます。

参照:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル

 

分別排出・保管

医療関係機関等から発生する廃棄物は、感染性廃棄物とその他の廃棄物に分けられます。感染性廃棄物とその他の廃棄物は分別して排出、処理を行います。

感染性廃棄物は専用の保管容器に直接投入し、一定量になったら密閉して定められた保管場所へ運び、保管します。

感染性廃棄物の保管容器には、マークが付けられており、感染性廃棄物を保管していることを明確に示せるようになっています。

 

施設内の移動

感染性廃棄物の移動の際は、移動中に内容物が飛散、流出しないように容器にふたをし、移動させます。

 

施設内での保管

・感染性廃棄物の保管は極力短期間とします。

・関係者以外は立ち入れないように配慮し、感染性廃棄物は他の廃棄物と区別して保管しなければなりません。

・保管場所には、見やすい所に感染性廃棄物の保管場所であることの表示と取扱いの注意事項を記載します。

 

容器に表示するマーク(バイオハザードマーク)

感染性廃棄物の処理 容器に表示するバイオハザードマークの色感染性廃棄物を収納する専用の容器には、関係者が感染性廃棄物であることを識別できるようマーク等を表示します。

マークは識別しやすい全国共通のものが望ましいため、バイオハザードマークを付けることが推奨されています。

バイオハザードマークは、関係者が廃棄物の種類を判別できるようにするため、性状に応じて分けが行われています。

・液状のもの又は泥状のもの(血液など)・・・赤色

・固形状のもの(ガーゼなど)・・・橙色

・鋭利なもの(注射針、ガラス管など)・・・黄色

 

感染性廃棄物の運搬

感染性廃棄物の収集運搬車両 屋根の付いた車 保冷機能感染性廃棄物を運搬する際は、専用の保管容器をそのまま運搬車両に積み込みます。

運搬車両は、感染性廃棄物が外部に飛散、流出しないよう、屋根の付いたワンボックスタイプのものや保冷機能の付いたものを使用します。

また事故防止のため、作業員は作業中、ゴム手袋やプラスチック製の手袋、エプロン、保護メガネなどの保護具を着用することが推奨されています。

運搬の委託は、感染性廃棄物を取り扱える特別管理産業廃棄物の収集運搬業許可を取得している事業者へ行わなければなりません。

産業廃棄物収集運搬業の許可では排出事業者より委託を受けて収集運搬をすることはできませんので注意が必要です。

 

感染性廃棄物の処分

感染性廃棄物を処分するときは、専用の保管容器ごと処理施設に投入し、焼却又は溶融処理を行います。

焼却や溶融処理の他、高圧蒸気減菌装置(オートクレーブ)を用いた減菌、乾熱減菌装置を用いた減菌、消毒といった方法があります。

なお、感染性廃棄物は最終処分場に埋め立てることができません。