建設キャリアアップシステム

建設キャリアアップシステムの本運用が2019年4月より始まっています。

建設技能者の高齢化の進行に伴い、今後若い方を採用・育成していかないと建設技能者の数がどんどん減少していくという状況の他、地震による被害、大雨・豪雨による土砂災害・水害が昨今増加し、災害復旧による建設工事への需要が高まっている点があります。

こういった背景から建設業界に入ってくる人を増やしたい、建設技能者の処遇改善を図りたいという考えのもと導入されたシステムです。

現場に入る技能者の就業履歴を技能者一人一人に交付される建設キャリアアップカードに蓄積し、各技能者のこれまでの経験を証明することができるというものです。また技能者の方の保有資格や社会保険加入状況などの登録を行います。

技能者の方が現場に設置されたカードリーダーに交付を受けた建設キャリアアップカードをかざすことにより、「いつ」、「どこの現場で」、「どんな立場」で仕事をしたのか日々の就業履歴を蓄積していきます。

運用開始から5年で全ての技能者の登録が目標として打ち出されています。

またシステムに登録した企業は、自社の技能者の技能や経験を証明でき施工能力のアピールにつなげることが可能となります。

システムを利用するには、事業者(建設業者)の情報と自社に所属する技能者の情報をシステムへ登録する必要があります。システムへの登録手続きは受付窓口での手続き、郵送による手続き、インターネットによる手続きの3種類があります。

システムを利用するための料金が発生します。

事業者登録料は、資本金に応じて11段階に料金が区分されています。有効期間は5年

管理者ID利用料は、1ID当たり2400円で1年間有効

技能者登録料はインターネット申請2500円、郵送・窓口申請3500円で有効期間は10年

現場利用料として、就業履歴1回当たり3円 ※元請事業者が負担する料金です。

 

周囲からの情報で建設キャリアアップシステムの存在を耳にしている事業者の方は多いと思います。今のところはシステムへの登録について様子を見ている状況の事業者様も多いはずです。

現状システムへの登録はあくまで任意であるものの、今後経営事項審査の評価対象とする動きがあり、建設キャリアアップシステムの普及が進んでいくものと思われます。

 

補足追記

令和2年4月1日以降の経営事項審査では、審査基準日時点で建設キャリアアップシステムでレベル4またはレベル3の判定を受けている技能者は技術職員として評価がされます。

レベル4の判定を受けている技能者 3点

レベル3の判定を受けている技能者 2点