不正品の申告義務や警察から発せられる品触れとは|古物商が古物営業開始後に起こり得る事項 

古物商許可を受け古物営業を開始すると、警察への協力が必要となるケースも発生する可能性があります。

今回は、「警察から発せられる品触れ」や「不正品の申告義務」、「警察から命じられる古物の差止め」に関する基本事項をご紹介していきます。

現在、古物所許可取得を検討されていらっしゃる方は、古物営業を開始すると起こり得る事項ですので是非ご参照ください。

 

品触れとは

品触れとは警察から発せられる盗品の被害品に関する通知で、簡単にいうと「盗品の被害品リスト」のことです。

 

品触れには保管期間がある。

品触れを受けた古物商は、その品触書に到達の日付を記載し、その日から6カ月間これを保存する必要があります。

また古物商が品触れを受けた日にその古物を所持していた時や品触れを受けた日から6カ月間の間に品触れに相当する古物を受け取った時は、直ちにその旨を警察官に届出ることが古物営業法に定められています。

警察から発せられる品触れにより盗難の被害品を古物商へ通知し、古物商に対しその有無の確認と届出を求めることで盗品の早期発見を図ろうとしているのです。

 

品触れに関する罰則もある。

警察からの品触れに係る書面に到達の日付を記載していなかったり、虚偽の日付を記載していたり、又はこれを保存しなかつた場合は、「6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」の対象となります。

そのため警察から品触れを受け取ったままで日付を記載していない、保存していないなどの放置している状態は避けなければなりません。

 

 

古物商には「警察への申告義務」というものが課せられている。

古物営業法には、古物商は取り扱う古物が盗品などの不正品であると疑われる場合、直ちに警察官にその旨を申告しなければならないことが定められています。

自社の古物営業に関する営業所に買い取りのために持ち込まれた古物が盗品の疑いがある時は、警察官へ「お客様が買い取りのために持ち込んだものが盗品の疑いがあります」と連絡(通報)する必要があるということです。

古物商許可制度の目的である盗品の売買に伴う市場への流通防止や盗品の迅速な発見を図る観点から、古物商にはお客様が店舗へ持ち込んだ古物の量やお客様が来店した時の態様など様々な点から持ち込まれる古物が盗品かどうかを判断する能力や経験が求められているといえます。

 

参考:古物の売買をするのになぜ許可が必要となるのか|古物商許可と産業廃棄物収集運搬業許可の違い

 

警察から命じられる差止めとは

警察から古物商に対し、盗品等の疑いのある古物について30日以内の期間を定めて、その古物の保管を命じることができます。これを差止めといます。

差止められた古物は売却をすることができません。

警察からの差止めの命令に応じないなどの違反がある場合、「6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」の対象となります。

盗品が第三者に転売されることの防止や迅速な盗難被害の回復ために差止めの制度が設けられています。

 

最後に

古物商許可を受けて古物営業を開始すると、警察から発せられる品触れへの対応や管理、不正品の申告義務といった警察への協力が必要となる場面も発生する可能性があります。

古物商許可取得を検討されている方は、盗品の売買に伴う市場への流通防止や盗品の迅速な発見を図るために重要な役割を担っているということを踏まえ許可取得の準備を進めてください。

 

参考:古物商許可|許可を受けられない欠格事由は申請前に要確認!

参考:古物営業改正2018|押さえておきたい基本事項や概要を解説

参考:古物商の義務|標識(プレート)の作成や掲示場所に関する基本事項を解説

参考:古物商の従業員が携帯する行商従業者証に関する基本事項を解説

参考:古物の買取・販売をする際の台帳への取引の記録は忘れずに!