建設業許可の業種追加|関連のある業種を追加して事業拡大につなげる。

以前投稿した「建設業に関連のある周辺事業を始めることで事業の拡大や取引先の開拓を図ろう。」という記事で事業拡大のことに少し触れましたが、事業を拡大していくための他の方法として、建設業許可の許可業種を追加することが挙げられます。

建設業許可は29の業種に分類されており、業種毎に許可が出ています。

現在許可を受け、メインに請負・施工している許可業種と関連のある業種の許可を受けることで事業拡大につながる可能性があります。

施主の方からのこれまでの要望や地域での需要・ニーズの他、「最初から取りたいと思っていた許可業種があるが、当初は技術者の要件を満たしていなかった」、「元請企業からこの業種の許可も取って欲しいと言われた」、「この工種の入札参加資格を取りたいから、対応する業種の許可を取って経営事項審査を受けたい」など、自社の状況に応じて許可業種の追加を検討していくことになります。

許可業種の追加にあたっては、どの業種を追加するのかに加え、業種追加のための「人」の要件が備わっているのかをまず第一に検討する必要があります。

 

追加業種に対応する「経営の責任者」がいるか ※経営業務の管理責任者のことです。

法人の役員など(株式会社、特例有限会社の場合は取締役)の建設業の経営経験が通算して6年以上あれば、すべての業種の経営業務の管理責任者となることができます。

例えば電気工事業の株式会社の取締役として6年以上の経験があれば、管工事業や電気通信工事業、その他の業種の経営業務の管理責任者として認められます。

管工事業や電気通信工事業に関する経営経験がなくても認められます。

また経営業務の管理責任者は、申請する時点で建設業に関する主たる営業所(※本社・本店のことです。)に常勤していることが必要です。

 

追加業種に対応する「営業所に置く技術の責任者」がいるか ※専任技術者のことです。

追加しようとする業種に関する一定の資格や実務経験を持った技術者を営業所に常勤させ、業務に従事させる必要があります。

これまで許可を受けていた業種に関する専任技術者の方が、追加しようとする業種に関する専任技術者の要件を満たしている場合、同一営業所内では1人で複数の業種の専任技術者を兼ねることができます。

1級建設機械施工技士の資格をお持ちの方であれば、土木工事業、とび土工工事業、舗装工事業など同一営業所内に限って複数の業種の専任技術者となることができます。

他の営業所や他社で専任技術者となっている方は、追加しようとする業種の専任技術者となることができません。

 

「人」に関する要件を確認したら「お金の要件」についても確認してみます。 ※財産要件のことです。

現在受けている許可業種を一度も更新していない場合、一般建設業許可、特定建設業許可ともに業種追加申請の際、はじめて許可を受けた時と同様に財産的な基礎が備わっているかの確認が行われます。

現在受けている許可業種を1回以上更新している場合、一般建設業では財産的な基礎が備わっているかの確認は行われませんが、特定建設業の場合は確認が行われます。

 

一般建設業許可の場合に求められる財産的な基礎

次のいずれかを満たしていれば、一般建設業許可の財産的な基礎を満たしていることになります。

○自己資本の額が500万円以上である。

○500万円以上の資金の調達能力がある。

※一般建設業許可の場合、現在受けている許可業種を1回以上更新していれば、財産的な基礎が備わっているかの確認は行われません。

 

特定建設業許可の場合に求められる財産的な基礎

特定建設業許可の財産的な基礎を満たすには、次のすべてに該当している必要があります。

○資本金の額が2,000万円以上ある。

○自己資本の額が4,000万円以上ある。

○欠損金額が資本金の額の20%以内である。

○流動比率が75%以上である。

 

特定建設業許可の財産的な基礎に厳しい基準が設けられている理由

特定建設業許可は、元請業者となって下請業者に発注できる金額に制限がありません。そのため大規模な元請工事に携わることができます。

大規模工事に携わっている元請業者である特定建設業許可業者が万が一倒産すると、発注者へ及ぼす悪影響の他、下請業者も財務状況の悪化や連鎖倒産につながる可能性が考えられます。

そのため発注者や下請業者の保護の観点や大規模工事に関する支払いに対応できるよう特定建設業許可に求められる財産的な基礎は、一般建設業許可の場合と比較して厳しい基準が設けられています。

 

業種追加の手続きにあたって押さえておきたい「許可の1本化」という制度

業種の追加を行うことで業種毎に許可日が異なることとなります。

これによりそれぞれの許可の有効期間が異なってきます。

これを解消するために「許可の1本化」という制度があります。

更新申請の際に、業種追加を行ったまだ有効期間の残っている他の業種も一緒に更新をすることで、許可の有効期間の調整を行うものです。

有効期間の調整を行うことで許可有効期間の管理がしやすくなることの他、許可申請手数料がそれぞれに発生するのを防ぐことができます。

 

補足 業種の追加とは

業種の追加とは、「ある業種について一般建設業許可を受けている方が、他の業種について一般建設業許可を受ける場合」、「ある業種について特定建設業許可を受けている方が、他の業種について特定建設業許可を受ける場合」をいいます。

現在受けているのが一般建設業許可のみで、他の業種についてまったくはじめて特定建設業許可を受ける場合は、般・特新規という別の手続きが必要となります。

また現在受けているのが特定建設業許可のみで、他の業種についてまったくはじめて一般建設業許可を受ける場合も同様に般・特新規という手続きが必要です。

 

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