産業廃棄物マニフェスト伝票を業者が用意する場合でも交付担当者欄は自社で記入する

マニフェストの運用 産業廃棄物マニフェスト伝票を業者の方が用意する場合でも、交付担当者欄は排出事業者(自社)が記入する ルール (青森)

マニフェスト伝票は、産業廃棄物の引渡しと同時に、収集運搬業者などの処理業者へ交付しなければなりません。

マニフェストの交付責任はあくまでも排出事業者にあります。

収集運搬業者の方が代行して、事前に処理の委託内容をマニフェスト伝票に印字して提供するケースも多いようです。

マニフェストに関する知識があまりない、記入の手間がはぶけるなどの理由で、収集運搬業者の方におまかせしている場合でも、マニフェストに記載している内容について責任を問われるのは、排出事業者であることを認識しておかなければなりません。

万が一、マニフェスト伝票に法定記載事項が記載されていなかった場合は、排出事業者の責任となります。

そのため、マニフェスト伝票の内容(処理を委託する内容)を把握しないまま記入をまかせてしまうことはリスクも存在します。

代行してもらっている場合でも、収集運搬業者の方が用意したマニフェスト伝票の印字内容を確認し、「交付担当者」欄は排出事業者である自社で記入する体制をとり、マニフェスト伝票の内容に責任を持つようにします。

さらに引渡す産業廃棄物の種類、数量、受託者の氏名または名称がマニフェスト伝票に記載された事項と相違がないかを確認して、マニフェスト伝票を交付しなければなりません。

実際に引渡しをする産業廃棄物とマニフェスト伝票の内容が同じであることを確認して交付することになります。

収集運搬業者と産業廃棄物処理の委託契約を締結する際は、併せてマニフェストの取扱いについて、打合せをしておくことがよいと思われます。

 

マニフェスト伝票の交付担当者欄には誰を記入するのか

マニフェストの交付担当者欄の記載については、平成23年3月17日の環境省の通知「産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)」で解説があります。

通知では交付担当者欄には、「事業者の氏名又は名称ではなく、実際に管理票の交付を担当した従業者の氏名を記載すること」とされています。

※「産業廃棄物管理票」、「管理票」はマニフェストのことを指しています。

そのため交付担当者欄は空欄としておき、産業廃棄物を収集運搬業者へ引渡す時に、排出事業者の担当者であったり、実際に引渡しに携わった方の氏名を記載していきます。

 

隣にある押印欄の取扱い

交付担当者を記載する箇所の隣に、押印をする旨のマークがあります。

押印欄が設けられているため、押印をしておくのが無難だと個人的には考えます。

ですが、万が一押印を忘れても運用ミスにはあたりません。

これはマニフェストの法的記載事項は「管理票の交付を担当した者の氏名」であり、押印については法定記載事項となっていないためです。

参照:マニフェスト伝票の基本事項・法定記載事項と全体像に関する記事

 

最後に

マニフェストの取り扱いや流れ 勉強会 (青森 行政書士)最後までお読みいただきましてありがとうございました。

代行という形で、収集運搬業者の方が印字したマニフェストを提供してくれる場合でも、記載内容に問題があったり、法定記載事項が漏れていますと、排出事業者の責任となります。

排出事業者である自社の責任として、引渡し時にマニフェスト伝票の内容を注意して確認する体制をとることが重要だと感じます。

またこれまでマニフェストに関してよく知らなかった場合でも、社内で定期的にマニフェストに関する勉強会を開催し、マニフェスト運用のルールを社員の方が共有していく体制を作ることも併せて検討してみましょう。