産業廃棄物処理の再委託禁止と罰則について 収集運搬業等の処理業者の方向け記事 

産業廃棄物処理の再委託禁止とそれに伴う罰則 (収集運搬 青森県)廃棄物処理法では、産業廃棄物処理における再委託を原則として禁止しています。

「原則として」という言葉を使いましたが、例外的に再委託が認められる場合もあります。

廃棄物処理法における再委託とは、排出事業者から産業廃棄物処理の委託を受けた収集運搬業者をはじめとする処理業者が、自ら処理を行わず、他社へ委託することを指します。

再委託が行われる顕著な業界として建設業界が挙げられます。

建設業では一般的に、発注者から受注した工事を元請業者が総合的な設計、施工管理を行い、工事そのものは専門の他の業者が行う下請け構造となっています。

建設業以外でも元請と下請けの関係が発生するような状況を想像していただけると分かりやすいのではないでしょうか。

これに対し、廃棄物処理法では例外的な場合を除き、産業廃棄物処理における再委託は禁止されています。

 

再委託禁止の理由

産業廃棄物処理で再委託を禁止している理由として、再委託を行うことで産業廃棄物処理の責任の所在が不明確になることが挙げられます。

再委託が行われ、産業廃棄物の所在が転々とすることにより、不法投棄や無許可営業などの不適正処理を誘発おそれがあります。

再委託が禁止されているため、排出事業者は処理を委託する産業廃棄物の品目(種類)についての許可を持ち、実際に処理を行う業者と産業廃棄物処理委託契約を直接締結しなければなりません。

産業廃棄物処理に詳しい業者にすべてを委任し、その者に業者の選択や費用の交渉などをまかせる契約は行えません。(処理業者が再委託することを前提として、排出事業者と契約を行うようなケースが挙げられます。)

産業廃棄物処理業の許可制度は、排出事業者から処理の委託を受けた産業廃棄物を、処理業者自らが処理することを前提とした制度です。(廃棄物処理法第14条第15項 第14条の4第15項)

 

再委託禁止違反に伴う罰則について

再委託禁止違反に伴い、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金またはこれの併科」の罰則適用対象となります。

罰金刑であっても、廃棄物処理法違反による罰金刑の場合は、廃棄物処理業の許可が必ず取消される原因となります。

廃棄物処理業者の場合は、許可の取消が企業の存続にかかわってくることもあります。

そのため収集運搬業をはじめとした処理業者の方は、罰則の対象について理解を深めるため、社内で定期的にミーティングや勉強会を行うことも重要です。

許可の取消というリスクを避ける体制を社内で作っていかなければなりません。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

参照・両罰規定が処理業許可に及ぼす影響

  ・許可の更新申請の際は、欠格要件に注意する!