登録票(標識)の掲示や更新手続きなど電気工事業の開始にあたり知っておきたいこと
電気工事業の登録や通知に伴い、営業を開始するにあたり行うべきことや営業開始後も自社の状況に応じ必要となる手続きがあります。
この記事では、電気工事業者さんが営業開始にあたって行うべきことや営業開始後に行う機会の多い手続き事項についてご紹介しております。
これから電気工事業の開始を検討されている方はご参照ください。
営業所と電気工事の施工場所ごとに標識(登録票)を掲示する必要があります。
施主さんにとっては、現場で実際に工事を行う電気工事業者が適法に登録や通知の手続きを行っている業者か、業者の名称や所在地などについて関心があることが多いです。
これらの事項を識別・判断できるよう標識の掲示が義務付けられています。
標識は、営業所と電気工事の施工場所ごとに見やすい場所に掲示しなければなりません。
標識を掲示していない場合は、1万円以下の過料の対象となりますので注意が必要です。
標識に記載する事項
「登録をしている業者」や「通知をしている業者」、「建設業許可を受けているか否か」により、標識に記載する事項が異なります。
登録電気工事業者の場合
①氏名又は名称及び法人にあっては、その代表者の氏名
②営業所の名称及び当該営業所の業務に係る電気工事の種類
③登録の年月日及び登録番号
④主任電気工事士等の氏名
標識はインターネット通販でも購入することができます。
以下は楽天で取り扱いしている標識の例です。
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通知電気工事業者の場合(自家用電気工作物の工事だけを行う業者のことです。)
①氏名又は名称及び法人にあっては、その代表者の氏名
②営業所の名称
③法第17条の2第1項の規定による通知の年月日及び通知先
みなし登録電気工事業者の場合
①氏名又は名称及び法人にあっては、その代表者の氏名
②営業所の名称及び当該営業所の業務に係る電気工事の種類
③法第34条第4項の規定による届出の年月日及び届出先
④主任電気工事士等の氏名
みなし通知電気工事業者の場合(建設業許可を受けて、自家用電気工作物の工事だけを行う業者のことです。)
①氏名又は名称及び法人にあっては、その代表者の氏名
②営業所の名称
③法第34条第5項の規定による通知の年月日及び通知先
帳簿を備え必要事項を記載する必要があります。
電気工事業者は、営業所ごとに帳簿を備えて、所定の事項を記載する必要があります。
また帳簿は記載の日から5年間保存しなければなりません。
帳簿の様式・体裁は決まっておらず、とじ込み式や伝票で管理するなど自社の管理しやすい方法で行います。
帳簿に記載する必要事項
①注文者の氏名または名称および住所
②電気工事の種類および施工場所
③施工年月日
④主任電気工事士等および作業者の氏名
⑤配線図
⑥検査結果
5年ごとに更新申請の手続きが必要になります。
電気工事業登録の有効期間は5年間です。
有効期間が満了した後も電気工事業を営む場合は、更新の申請を行わなければなりません。
有効期間までに更新の申請をしない場合は、登録の効力を失います。
登録を失効し再度電気工事業を営む場合は、登録の新規申請を行うことになります。
この場合は登録番号も変更となります。
なお更新申請にあたり登録事項に変更が生じている場合は、変更届出書の提出も必要です。
対象となるのは、申請者(個人事業主本人、法人の事業者)、法人の役員、主任電気工事士です。
どんな事項が拒否事由となるのかは、「電気工事業の登録(通知)を受けるための要件と必要な資格者のこと」という記事でご紹介しております。ご参照ください。
届出(みなし登録)やみなし通知の場合
届出(みなし登録)、通知、みなし通知の場合は、有効期間が定められていません。
そのため建設業許可の更新が完了した際は、建設業許可番号や許可期間が変更となったことを届出する必要があります。
電気工事業登録を受けた後、建設業許可を受けた場合は届出が必要です。
登録を受けた電気工事業者がその後建設業許可を受けた場合、電気工事業の開始届出書と添付書類を提出します。
この届出をすることで世間一般に言われる「みなし登録」という扱いになります。
この場合、電気工事業の「登録」に関する廃止届出書を併せて提出します。
建設業許可を受けることで、税込み500万円以上の工事を請負うことができようになります。
自社の状況に応じ、変更の届出が必要になります。
登録事項(電気工事業の登録申請時に、申請書に記載した内容)に変更があった場合は、変更の届出をする必要があります。
届出は変更のあった日から30日以内に行わなければならないという期日も定められています。
変更があった場合に届出する事項
① 氏名、名称、住所、法人の代表者の氏名
② 営業所の名称、所在の場所、当該営業所の業務に係る電気工事の種類
③ 法人の役員の氏名
④ 主任電気工事士の氏名、その者が交付を受けた電気工事士免状の種類及び交付番号
※自家用電気工作物の工事だけを行う通知電気工事業者も、通知をした事項に変更があった場合は変更事項を通知しなければなりません。
その他の事項
○電気工事業の全部をやめる場合(電気工事の施工をやめる場合)は廃止の届出を行います。
○交付された登録証を紛失したり、汚したりした場合は、再交付を受けることができます。
○「これまでA県にのみ営業所があったが、B県にも営業所を設置する場合」や「A県とB県に営業所があるが、B県にある営業所を廃止する場合」、「現在A県にのみ営業所があるが、A県の営業所を廃止して、B県に営業所を設置する場合」など行政の管轄が変更となる場合は手続きが必要になります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
標識(登録票)の掲示や営業開始後に行う機会の多い手続き事項についてご紹介してきました。
登録や通知を行い電気工事業を開始した後も自社の状況に応じ、様々な手続きが発生します。
特に更新は5年ごとに行う必要があり、有効期間の管理には十分注意が必要です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
あわせてご参照ください。
参考:電気工事業の登録(通知)が必要な人と不要なケース、手続きをしない場合の罰則のこと
参考:電気工事業登録|建設業許可を受けても届出(通知)をしないと「みなして」くれません。
参考:営業所に配置する主任電気工事士の要件や役割と主任電気工事士の選任・変更が必要な4つのケース
参考:家電量販店の協力会社としてエアコン取り付け設置工事を行う際の登録や許可
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