電気工事業の登録(通知)を受けるための要件や必要な資格者のこと

建設業許可を受けていない方が電気工事業を開始するにあたり、自社が現場で施工する電気工事の範囲に応じて、「登録」あるいは「通知」という手続きが必要になることを「電気工事業の登録(通知)が必要な人と不要なケース」という記事でご紹介しました。

今回は電気工事業を開始するにあたって必要となる「登録」や「通知」を行うための要件や自社に在籍していなけらばならない資格者についてご紹介していきます。

この記事を読むことで、自社が電気工事業を開始するための要件を備えているかどうかおおよその判断の目安となります。

これから独立して電気工事業の開始を検討されている方の参考になれば幸いです。

電気工事業登録の要件や資格者のこと

 

電気工事の業務を行う営業所ごとに主任電気工事士を置くことが必要です。

一般用電気工作物の工事による危険、障害が発生しないよう電気工事の作業の管理を行う者として、営業所ごとに主任電気工事士を1名置く必要があります。

主任電気工事士は他の営業所との兼任はできません。

そのため主任電気工事士は営業所ごとに専任である必要があります。

また登録を受けた他の電気工事業者の主任電気工事士を自社の主任電気工事士とすることはできません。

主任電気工事士は自社の従業員の中から選任する必要があります。

申請時には、雇用証明書(主任電気工事士が申請者の従業員であることを証する書面)を併せて提出することとなります。

 

主任電気工事士となるための資格
主任電気工事士の資格者主任電気工事士となるためには、下記の①又は②の要件を満たしていることが必要です。

また①又は②の要件を満たした人が自社に在籍している必要があります。

①第一種電気工事士免状を取得している人

②第二種電気工事士免状を取得した後、3年以上の電気工事に関する実務経験を有し、それを証明できる人

※現在電気工事士であり、これから1人で電気工事業を営もうとする場合(一人親方など)は、その方が主任電気工事士となれる要件を満たしており、主任電気工事士に就任しますと、別の人を主任電気工事士として配置する(雇用する)必要はありません。

 

主任電気工事士は、一般用電気工作物の工事による危険、障害が発生しないよう作業を管理する立場のため、電気工事に関する高度な専門的知識や技能を持っていることが求められます。

そのため「第一種電気工事士」か「第二種電気工事士で、電気工事に関し一定の実務経験を備えた人」である必要があります。

 

申請するにあたり登録の拒否事由に該当していないことが必要です。

拒否事由とは誤解を恐れずに簡単に申し上げますと、過去に電気工事に関係する法律に違反し、電気工事業の登録を受けるのにふさわしくない方を類型化し、当てはまる方について電気工事業を営めないこととしているものです。

拒否事由に1つでも該当していると、登録を受けることはできません。

また登録を受けて営業を開始した後に拒否事由に該当した場合は、登録が取り消されることになります。

登録申請書や添付書類の重要な事項に虚偽の記載があったり、重要な事項の記載が欠けている場合、登録を受けることができません。

 

登録の拒否事由とその対象となる人

登録の申請者(個人事業主本人、法人の事業者)、法人の役員、主任電気工事士が次の①~⑥の拒否事由に該当していないことが必要です。

①過去2年以内に電気工事に関する法律に違反して罰金以上の刑罰を受けた者

②過去2年以内に電気工事業の登録を取り消されたことがある者

③電気工事業の登録を受けた法人が登録を取り消され、取消処分のあった日前30日以内にその法人の役員であった者で、取消処分のあった日から2年を経過していない場合

④事業の停止を命じられ、その停止の期間中に電気工事業を廃止した者であって、その停止の期間に相当する期間を経過していない場合

⑤法人でその役員に上記①~④に該当している者がいる場合

⑥営業所ごとに主任電気工事士を置いていない場合

 

電気工事業者の義務として、検査測定器具を備え付けている必要があります。

電気工事業を営むにあたり、工事後に電気工事が適正に行われたかどうかを検査するため、電気工事の検査に必要となる検査測定器具を備え付けている必要があります。

検査測定器具は営業所ごとに備え付けていなければなりません。

器具の備え付け

一般用電気工作物の工事のみの業務を行う営業所に備え付ける器具

①絶縁抵抗計          

②接地抵抗計

③抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計

 

一般用電気工作物に加えて、自家用電気工作物の工事の業務を行う営業所に備え付ける器具

①絶縁抵抗計          

②接地抵抗計

③抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計

④低圧検電器          

⑤高圧検電器

⑥継電器試験装置(必要なときに使用し得る措置が講じられているものを含む)

⑦絶縁耐力試験装置(必要なときに使用し得る措置が講じられているものを含む)

 

通知を行い、電気工事業を開始しようとする際の要件

電力会社から600V超で受電する電気工作物のうち、受電電力容量が500kW未満の設備の設置、変更の工事だけを行う工事業を営む場合は、登録ではなく「通知」の手続きが必要です。

「通知」は、登録の場合と若干要件が異なります。

 

通知をするにあたり、登録の拒否事由に該当していないことが必要です。

通知をする者(個人事業主本人、法人の事業者)、法人の役員が次の登録の拒否事由①~⑤に該当していないことが必要です。

①過去2年以内に電気工事に関する法律に違反して罰金以上の刑罰を受けた者

②過去2年以内に電気工事業の登録を取り消されたことがある者

③電気工事業の登録を受けた法人が登録を取り消され、取消処分のあった日前30日以内にその法人の役員であった者で、取消処分のあった日から2年を経過していない場合

④事業の停止を命じられ、その停止の期間中に電気工事業を廃止した者であって、その停止の期間に相当する期間を経過していない場合

⑤法人でその役員に上記①~④に該当している者がいる場合

 

営業所ごとに検査測定器具を備え付ける必要があります。

自家用電気工作物の工事の業務を行う営業所ごとに次の検索測定器具を備え付けます。

①絶縁抵抗計          

②接地抵抗計

③抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計

④低圧検電器          

⑤高圧検電器

⑥継電器試験装置(必要なときに使用し得る措置が講じられているものを含む)

⑦絶縁耐力試験装置(必要なときに使用し得る措置が講じられているものを含む)

 

自家用電気工作物の工事に携われる人(資格者)が自社にいることが必要です。

自家用電気工作物の設置、変更の工事を行うことができる資格者が自社にいることが必要です。

第一種電気工事士免状や特種電気工事資格者認定証、認定電気工事従事者認定証を取得し、自家用電気工作物の工事に携われる方が自社に在籍していなければなりません。

 

あわせてご参照ください。

参考:登録票(標識)の掲示や更新手続きなど電気工事業の開始にあたり知っておきたいこと

参考:電気工事業登録|建設業許可を受けても届出(通知)をしないと「みなして」くれません。

参考:営業所に配置する主任電気工事士の要件や役割と主任電気工事士の選任・変更が必要な4つのケース

参考:家電量販店の協力会社としてエアコン取り付け設置工事を行う際の登録や許可

 

 

 

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