家電量販店の協力会社としてエアコン取り付け設置工事を行う際の登録や許可

家電量販店の新聞折込チラシに「協力会社様募集」や「協力店様募集」と掲載されている箇所を見たことがある方もいらっしゃるはずです。

家電量販店が販売したエアコンについて、協力会社としてその家電量販店の委託を受け、エアコンの取り付け工事の仕事を始める場合は、都道府県又は国から電気工事業法で定められている電気工事業登録を受けることが求められます。

さらに電気工事業登録が求められる理由として、エアコンの取り付け設置工事の工程の中でも「室内機・室外機をつなぐ内外接続線の作業」と「接地線に関連する作業」が電気工事業登録が必要となる電気工事にあたる点が挙げられます。

電気工事業登録の有効期間は5年です。

有効期間の満了後も引き続き家電量販店の委託を受けて仕事を行う場合は、登録の更新手続きが必要です。

すでに建設業許可を受けている場合は、電気工事業登録ではなく、電気工事業の開始届出という手続きを都道府県又は国へ行う必要があります。

この開始届出を行うことで、世間一般に言われている「みなし登録」という取り扱いとなります。

5年ごとに必要となる建設業許可の更新手続きが完了した場合、電気工事業に係る変更届出書を提出する必要があります。

建設業許可更新により建設業許可番号と許可期間が変更となったことを届出しなければなりません。

そのため「建設業許可更新手続き」と「建設業許可更新手続き完了後に行う電気工事業に係る変更届出書の提出」は、関連した一体の手続きとなります。

 

電気工事業の登録を受けるためには、大きく分けて次の3点が求められます。

① 電気工事の業務を行う営業所ごとに主任電気工事士を置くこと

② 登録の申請者(個人事業主本人、法人の事業者)、法人の役員、主任電気工事士が登録の拒否事由に該当しないこと

※登録の拒否事由とは誤解を恐れずに簡単に申し上げますと、過去に電気工事に関係する法律に違反し、電気工事業の登録を受けるのにふさわしくない方を類型化し、当てはまる方について電気工事業を営めないこととしているものです。登録の拒否事由に1つでも該当していると、登録を受けることができません。

③ 工事後に電気工事が適正に行われたかどうかを検査するため、電気工事の検査に必要となる検査測定器具を備え付けていること

 

当サイトに掲載している電気工事業の登録や届出について解説した記事も併せてご参照ください。

電気工事業登録の要件や資格者のこと当サイトに電気工事業登録を受けるための要件や開始届出に関すること、主任電気工事士の役割などについて詳しく解説した記事を掲載していますので併せてご参照ください。

 

電気工事業登録や届出に関する記事

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登録を受ける際の手続き先

1つの都道府県のみに営業所を設ける場合は、その営業所がある都道府県へ手続きを行います。

インターネットで「手続きを行う都道府県名 電気工事業登録」と検索しますと、自治体の電気工事業登録に関するページがヒットします。

複数の都道府県にまたがって営業所を設ける場合は、国へ手続きを行います。

 

青森県内にのみ営業所がある場合の手続き先

青森県内にのみ営業所がある場合の手続き先です。

窓口 青森県庁 危機管理局消防保安課

住所 青森市長島1-1-1

 

新規で登録を受ける際に提出する書類

○登録電気工事業者登録申請書

○誓約書(申請者用)

○誓約書(主任電気工事士関係用)

○雇用証明書

○主任電気工事士等実務経験証明書

○主任電気工事士等の電気工事士免状の写し

○その他の添付書類(主任電気工事士等の住民票、主任電気工事士等に関する組合等で発行する調査証明書等など)

○法人の登録簿の謄本(法人の場合のみ必要です。)

※申請先の自治体や事業者様の状況により他に提出する書類が必要となる場合があります。

 

取り外したエアコンを廃家電として運搬する際は、産業廃棄物収集運搬業許可が必要となります。

家電量販店から委託を受け、エアコン取り付け設置工事に伴って不要となる、それまで使用していた古いエアコンを取り外し、家電リサイクル法の対象となる廃家電として2tトラックなどの車両に積載して運搬する場合は、産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。

家庭で発生した廃家電は「一般廃棄物」、事業所で発生した廃家電は「産業廃棄物」として扱います。

 

家庭から発生した廃家電は産業廃棄物収集運搬業許可で運搬できる??

一般廃棄物として扱われる家庭で発生した廃家電を産業廃棄物収集運搬業許可で果たして運搬できるのだろうかと思われた方もいらっしゃるはずです。

この点は家電リサイクル法第50条で「一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬業者の相互乗り入れ」という特例措置が設けられているため、産業廃棄物収集運搬業許可を受けることで、家電量販店の委託を受けて家庭から発生した廃家電を収集運搬することができます。

 

廃家電を収集運搬する際に必要となる産業廃棄物の許可品目

家電量販店から委託を受けて廃家電を収集運搬する場合は、次の3つの品目について産業廃棄物収集運搬業許可を受ける必要があります。

・廃プラスチック類

・金属くず

・ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず

 

※許可を受けた品目以外の産業廃棄物を収集運搬することはできません。

そのため上記の3品目しか許可を受けていない場合は、がれき類や木くず、繊維くずなどの収集運搬は行えないことになります。

参照:産業廃棄物の種類や業種指定のあるものとないものについて解説した記事

 

家電量販店の委託を受けてエアコンの取り付け設置工事の仕事を行うのに最低限必要となる登録・許可は2つ

家電量販店が販売したエアコンについて、協力会社としてその家電量販店の委託を受け、エアコンの取り付け設置工事の仕事を始める場合は、最低限次の2つの登録・許可が必要です。

・電気工事業法で定められている電気工事業登録

・産業廃棄物収集運搬業許可

※家電量販店によっては、他の許可も受けるよう求められる場合もあります。仕事を行う予定の家電量販店ホームページやチラシ・広告なども併せてご参照ください。

実際に登録や許可を受けるには、住民票や納税証明書などの添付書類を揃えるために官公庁へ出向いたり、申請書類を作成する作業が発生してきます。

また申請手続きを終え、実際に自治体より許可証が交付されるまでも時間がかかります。

そのため早めに準備を進めていくことをおすすめします。

 

 

当サイトに掲載している産業廃棄物収集運搬業許可に関する記事も併せてご参照ください。

当サイトに産業廃棄物収集運搬業許可に関する記事を掲載しています。

許可を受けるための要件や自治体に許可の申請をする前に行う講習会の受講、収集運搬を行う際に求められる飛散防止措置に関することなどを掲載しております。

許可の取得を検討されている方は併せてご参照いただければ幸いです。

産業廃棄物収集運搬業許可に関する記事一覧はこちらになります。

 

 

当所より青森県知事 電気工事業の登録・届出・通知の行政書士手続き代行サービスのご案内

当所では、青森県知事 電気工事業の登録・届出・通知に関する手続きを代行するサービスを行っております。

自社に総務部門がなく、書類の作成や提出手続きなどの事務手続きにあまり慣れていない方や現場が忙しく手続きをする時間がなかなか取れない方に代わって、行政書士が手続きを行います。

書類の作成のみならず、添付する各種公的書類(住民票や履歴事項全部証明書など)の可能な限りの収集代行や申請窓口担当者との打ち合わせも行います。

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