古物営業法改正2018|押さえておきたい基本事項や概要を解説

産業廃棄物収集運搬業を営んでいる事業者さんの中には、お客様の要望や今後の事業展開を考え、あわせて古物商許可を受けて古物営業を営んでいる方もいらっしゃいます。

2018年4月に古物営業法改正が行われました。

今回は事業者さんに関係のある改正となった押さえておきたい基本事項・概要をご紹介していきます。

2018年10月24日より施行されすでに運用が始まっている事項もございますので是非ご参照ください。何かの参考になれば幸いです。

 

許可単位の見直しが行われました。

今回の改正により、主たる営業所の所在地で許可を受ければ、他の都道府県では届出をするだけで営業所を設けることができることになります。

これまでは営業所が所在する都道府県ごとに古物商許可を受ける必要がありました。

都道府県単位の許可となっていたことはご存知の方も多いと思われます。

そのため新たに他の県に営業所を設けて古物営業を営もうとする度に、許可の申請を行う必要がありました。

これまでは許可申請をする都度、手間や時間がかかっていたという方も多くいらっしゃるはずです。

青森県でリサイクルショップを営んでいた事業者さんが、岩手県にも店舗(営業所)を設けて古物営業を営もうとする場合は、岩手県の許可も必要だったのです。

今回の改正は、近年、全国規模や複数の都道府県で古物営業を営む古物商許可業者が増えてきている背景があり、古物を扱っている方やリユース業界、業界団体等から「1つの都道府県公安委員会の許可を受けていれば、他の都道府県で新しく営業所を設けて古物営業を営む際には届出のみとして、新たな許可申請は不要とする措置をとってもらえないか」という要望が多くあったことを受けてのものです。

改正に伴う許可単位の見直しは、2018年4月に公布となっており、2020年4月ころまでに施行となります。

公布とは改正法をお披露目するというイメージ、施行は実際に運用がスタートするというイメージです。

 

重要!現在許可を受けている方は、「主たる営業所等届出書」という書類の提出が必要

現在、許可を受けているすべての古物商等は、引き続き営業を行う場合、この改正法の施行前に「主たる営業所等届出書」を主たる営業所等の所在地を管轄する警察署へ提出する必要があります。

複数の都道府県から許可を受けている場合、主たる営業所等の所在地を管轄する警察署に届出をすれば、その他の都道府県への届出は不要となります。

この「主たる営業所等届出書」により「自社の主たる営業所をどこにするのか」、「その他の営業所はどこにあるのか」といった内容を届出することになります。

複数の都道府県で古物営業を営んでいる場合や1つの都道府県内で複数の営業所がある場合は、自社の主たる営業所をどこにするのか決定する必要があります。

またこの届出は、1つの都道府県からのみ許可を受けている古物商や営業所を一つしかもたない古物商等も行う必要があります。

改正法が施行されるまでに届出書を提出しない場合、施行日以降は許可失効の扱いとなり、古物営業を行うことができなくなりますので注意が必要です。

 

届出期間

2018年10月24日から法改正全面施行日まで(遅くとも2020年4月24日までには施行されます。)

 

届出先

主たる営業所等の所在地を管轄する警察署へ提出します。

※複数の都道府県で古物営業を営んでいる場合や1つの都道府県内で複数の営業所がある場合は、自社の主たる営業所をどこにするのか決定する必要があります。

またこの届出は、1つの都道府県からのみ許可を受けている古物商や営業所を一つしかもたない古物商等も行う必要があります。

 

許可証の取扱いはどうなる??

1つの都道府県でのみ許可を受けている方は、「主たる営業所等届出書」を提出した場合は、改正前の許可証が改正後の許可証とみなされます。

複数の都道府県から許可を受けている方は、法改正全面施行日から1年を経過する日までの間に、国家公安委員会規則で定める書類及び全ての旧許可証を添付して、主たる営業所等の所在地を管轄する警察署に提出し、新法許可に係る許可証の交付申請を行います。

 

営業制限の見直しにより、「仮設店舗営業届出書」を提出することで仮設店舗で買取りをし、古物を受け取ることが可能となりました。

これまで古物の受け取りは、営業所と相手方(お客様)の住所または居所でしか行えませんでした。

今回の改正により、事前に日時・場所の届出をすることで仮設店舗で買い取りを行い、古物を受け取ることができるようになります。

仮設店舗で古物営業を営む日から3日前までに、その場所を管轄する警察署へ「仮設店舗営業届出書」を提出する必要があります。

これにより百貨店やホールなどのイベント会場で買取りを行い、古物を受け取ることができます。また仮設店舗には標識の掲示が必要となります。

1つの都道府県にのみ営業所がある古物商許可業者が事前に日時・場所の届出をすることで、他の都道府県に仮設店舗を設けることも可能です。

仮設店舗営業届出書の提出を受けた警察署は、必要に応じて仮設店舗に立ち入りをし、相手方の確認や帳簿記載などの古物営業を行う際のルールに則って営業を行っているかの確認が行われます。

この営業制限の見直しに関する改正は、2018年10月24日より施行となっており、すでに運用が始まっています。

 

仮設店舗とは

仮設店舗とは、営業所以外の場所に一定の期間に限って設ける店舗であって、容易に移転できるものとされています。

催事場のブース、車両を駐車して店舗として用いる出店、屋台等が想定されています。

 

簡易取消し制度が新設

今回の改正により、古物商等の所在を確知できないなどの場合に、公安委員会が官報に公告を行い、30日を経過しても申出がない場合には、聴聞を実施せず許可を取り消すことができる「簡易取消し制度」が新設されました。

2018年10月24日より施行され、運用が始まっています。

現在、古物商許可には有効期間がありません。

そのため更新申請の手続きを必要とせず、一度許可を受けると許可取消となったり、廃業をして許可証を返納することがない限り、一生ものの許可となります。

更新制度がないため許可を受けた後、住所や名称などの許可内容について変更があった際に、変更の届出をせず放置し所在不明となっているケースや廃業をしても許可証を返納していないなどの理由で実は営業実態がないというケースが増加しているという背景がありました。

古物商許可の制度は、盗品が持ち込まれる可能性のある古物売買を行う方を許可制の対象とすることで、古物売買のルートを把握し盗品の迅速な発見につなげたいという側面があります。

所在不明となっていたり、営業実態があるのかないのかよく分からない古物商がいると、古物売買のルートを正確に把握することができません。

また許可証が悪用される可能性もでてきます。

そのため警察側の立場としては、所在不明となっている方や営業実態がない場合は許可取消を行いたいと考えています。

改正前は許可を取り消すために、古物商が3月以上所在不明であること等を公安委員会が立証し、聴聞を実施する必要があり、許可取消しを行うためにはかなりの日数を要するという事情がありました。

今回の改正により、住所や名称、その他許可内容について変更があった際に変更届の提出を放置しており、古物商許可業者に連絡等がとれない場合は、所在不明として簡易取消しの対象となります。

また簡易取消し制度により許可取消しとなるまでの日数も早まることとなりました。

そのため許可を受けた内容について変更があった際は、その都度変更届を行うことが大切になります。

古物商「なんで勝手に許可を取消したんだよ!」

警察「お宅が変更届を出していないからでしょ!!!」

古物商「・・・・・・・」

ということが将来的に発生する可能性が考えられます。

 

欠格事由の追加

欠格事由とは簡単にいいますと、過去に古物商許可を取消されたことがあり5年を経過していないケースや法律違反をしたことがあり、懲役刑や一定の犯罪で罰金刑を受け、古物営業を営むのにふさわしくない方の条件のことです。

今回の改正により新たに次の3つの欠格事由が追加されています。欠格事由の追加は、2018年10月24日より施行されています。

① 刑法第235条に規定する罪(窃盗)を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者

② 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者

③ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第12条若しくは第12条の6の規定による命令又は同法第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過しないもの

暴力団員やその関係者、過去5年以内に窃盗罪で罰金刑を受けた方は欠格事由にあたり、申請をしても許可を受けることはできません。

古物商許可制度の目的は、盗品の換金防止や盗品の売買に伴う市場への流通防止、盗品の迅速な発見といった窃盗対策・犯罪対策のためにあります。

このような背景から今回の改正により、窃盗罪で罰金刑を受けた方についても、一定期間古物商許可を受けることができないこととし、厳格な取扱いをしたものと思われます。

参考:古物を売買するのになぜ許可が必要となるのか|古物商許可と産廃収集運搬業許可の違い

参考:古物商許可|許可を受けられない欠格事由は申請前に要確認!

 

最後に

最後までお読みいただきましてありがごうございます。

古物営業を営んでいる方にとっては、今回の改正に伴う「許可単位の見直し」や「営業制限の見直し」は、商圏が広がり事業拡大につながる可能性があります。

その他、簡易取消しの制度が新設されたことにより、許可を維持していくためには許可内容に変更あった際、その都度変更届出を行っていくことが重要になります。

営業制限の見直しにより仮設店舗を設けることが可能となりましたが、個人的には「これは仮設店舗にあたるのかあたらないのか」という議論や問題が今後出てくるのではないかと感じております。

 

当事務所より「主たる営業所等届出書」に関する手続きのご案内

当所では青森県(主に青森警察署管内、野辺地警察署管内)で古物営業を営まれている事業者様向けに古物営業法の改正に伴う「主たる営業所等届出書」に関する手続きのサポートを下記の料金で行います。

届出手続き代行をご検討の事業者様は当所までお電話にてお問い合わせください。

サポート料金 19,800円 (税込)

 

事業者様の現在受けている許可の内容や状況により料金が加算される場合がございますことをお含みおきください。

業務や研修による外出で電話にでることができない場合もございます。あらかじめご了承くさい。

 

サービス内容

上記の料金には次のサービス内容が含まれております。

○主たる営業所等届出書の作成

○管轄警察署への届出手続き