取引先がなぜ建設業許可を取得することを求めるのか

日頃取引をしている元請企業から建設業許可を取得することを求められることがあります。

その理由は、建設業法では特定建設業者に対し、発注者から直接請け負った建設工事に参加している下請企業にその建設工事の施工について、建設業法の規定や建設工事の施工に関する法令、建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定に違反しないよう指導に努めるべきことが定められているためです。

また特定建設業者は下請企業が法令の規定に違反していると認めた場合、その下請企業に対し違反を是正するよう求めるべきこと、特定建設業者が違反の是正を求めたものの下請企業が違反を是正しない場合、特定建設業者はその旨を行政へ通報しなければならないことが定められています。

そのため日頃取引をしているなかで、今後、建設業法で定める請負金額の制限を超える可能性のある下請企業に対し、建設業許可を取得して欲しい旨の要望がでてきます。

参考記事:建設業許可が必要なケースとは

特定建設業者の下請企業に対する指導について定めた条文も併せてご参照ください。

(下請負人に対する特定建設業者の指導等)
第二十四条の六 発注者から直接建設工事を請け負つた特定建設業者は、当該建設工事の下請負人が、その下請負に係る建設工事の施工に関し、この法律の規定又は建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるものに違反しないよう、当該下請負人の指導に努めるものとする。
 
2 前項の特定建設業者は、その請け負つた建設工事の下請負人である建設業を営む者が同項に規定する規定に違反していると認めたときは、当該建設業を営む者に対し、当該違反している事実を指摘して、その是正を求めるように努めるものとする。
 
3 第一項の特定建設業者が前項の規定により是正を求めた場合において、当該建設業を営む者が当該違反している事実を是正しないときは、同項の特定建設業者は、当該建設業を営む者が建設業者であるときはその許可をした国土交通大臣若しくは都道府県知事又は営業としてその建設工事の行われる区域を管轄する都道府県知事に、その他の建設業を営む者であるときはその建設工事の現場を管轄する都道府県知事に、速やかに、その旨を通報しなければならない